2008年12月30日

人生2回目の分岐点(最近思ったこと97)

2007年8月28日 ミクシー日記より




2泊3日の合宿型インターンシップへ行ってきました。あるベンチャー企業の研修合宿です。

このインターンシップが、僕にとって人生で2回目の分岐点になるかもしれない。分岐点とは、根本から考え方が変わるということ。価値観が転換する という経験は、人生という長いスパンで見てもおそらく数えるほどしか訪れないだろう。今、目の前に、いまだ知らない広大な世界が広がっています。そこに は、未知による不安とともに、未知だからこその大きな成長可能性を感じていて、興奮が止みません。「非日常」の経験。しかし、今は非日常かもしれないけれ ど、それはいつか「日常」になる「非日常」。今、不思議な気持ちでいっぱいである。

人生における大きな転換期、その1回目は二浪をしたときの挫折と村山先生との出会いでした。この分岐点を一言で表すと、弱者視点が始めて自分に芽 生えた瞬間だった。何気なく過ごしていると、何年かかっても理解することのできないだろう世界というものは確実に存在する。このとき、僕の世界観は確実に 広がった。無知の知を理解し、貪欲に情報を得ようとする姿勢も生まれた。

ピンチはチャンスである。
挫折はチャンスである。

なぜならば、それは今までの自分ができなかったことが
できるようになる機会なのだから。

そして今回のインターンシップが、2回目の分岐点になるのかもしれない。今年の3月くらいから少しずつ進行していた変化によって、分岐点になるた めに準備が整っていた。自分の軸(目的・理念・ビジョン)をはっきりと意識し、次にその手段を考えたとき、自分がどんなスタンスでどのアクターでそれを実 行し実現するのか。僕は最近そのことをよく考えていた。だからこそ、インターンシップで、大学にいては知ることのできない世界を知る必要があった。僕はそ れを望んで今回のインターンシップに参加した。企業で働く人たちが、日々どんな思いを持って、具体的にどんな仕事をしているのかを知るということ。社会人 の生の声を聞き、その意識に触れてくること。それが目的でした。

はっきりいって、かなりハードでした。

その企業が内定者向けに行う、研修合宿に近い形でプログラムを組んでくれ、プロフェッショナル意識を肌で感じることができた。社会人のスタンダードな考え方に初めて触れることができ、同時に、今の自分に決定的に足りないものがはっきりと見えた3日間だった。

「覚悟」
「プロフェッショナル意識」

とは何なのか?
それが少しわかったような気がします。



研修はインターンシップ先の企業に集合した瞬間から始まった。バスに乗る前からグループワークが始まり、バスで筑波に移動しながらグループワー ク。そして着いたらすぐに全員の前で一人ひとりがプレゼンテーション。ずーっと研修。気づいたら夜の9時半。どこまでやるんだ?でも社員の方は手を抜かな い。全員がまだまだなってないという刻印を押され続ける。長時間高い集中力を持続させていたせいで、疲れで微熱が出始める。やっと終わり、宿泊部屋に入っ た瞬間、そのままバタンと倒れたいくらい疲れていた。が、興奮してしまって4時まで寝られなかった。求めるレベルが今までとはまったく違う。自分の中でこ れくらいでいいだろうと設定してある基準の次元が違う。これが社会人のスタンダードな考え方なのか。初日からこんなんで、明日はどんな難題が待っているの だろう・・・

7時に朝食を食べ、8時半から研修再開。

かんたんなグループワークをやり終えたあと、内定者向けの研修をやらされた。課題は「営業」。中小企業の社長に、目に見えなく、高価格で、認知さ れていなくブランドもない、予算が確保されていない、そんな自社の商品を売り込む。実際にインターン先の企業の第一線で中途採用の市場には出てこないよう な高収益人材を相手にヘッドハンティングをしている人たちを相手に営業し、5つのステージクリアを目指す。それが終わらなければご飯が食べられない。それ でもボーダーラインは低く設定しなおしてくれたし、内定者は夜中の2時くらいまで続けるところを、僕たちには終了時間を設定してくれていた。最初は何回も 低い点数をつけられ「やりなおし」と言われる。何回やってもだめ。人生で初めてプレッシャーによって胃が痛くなった。自分にこの難題が今日中にできるの か?そんな風に疑って弱気になった自分があった。自分の欠けている部分と徹底的に向かい合う経験。

自分の甘さを思い知った一日だった。これまでの大学生活との意識の違いや、社会人のスタンダードな考え方、プロフェッショナル意識を感じるには十 分で、考え方を根本から変えられた。いや、今回の分岐点は、正確には思考や価値観が転換したというよりは、今までの自分になかったもう半分の世界を、自分 をコントロールすることによって作り出すコツをつかめたような、そんな感覚である。おそらく、2回目の分岐点とはそういうものだろう。人生ではじめての衝 撃は、自分のおろかさに気づく瞬間とも言え、考え方を変えられてしまうかもしれないが、2回目の分岐点というものは、今までの自分が大切にしていたものも はっきりとサポートできる力があるからこそ、そこへ新しい世界観が加わるという形になるのだと思う。

僕は場に応じて思考の転換が仕切れていない。それがこのインターンシップで如実に現れてしまったと思う。自分のくせになっていた思考方法を根本から変える必要があった。意識的にコントロールし、いつもの自分を強制的に抑えなければならなかった。

僕の長所はなんでしょう?
爽やかさ?理解力?分析力?

自分では、話を聞くことに関しては絶対的な自信を持っています。それがコミュニケーション能力を高めていると思っています。しかし、同じ「話を聞 く」でも、まったく違う2つの方法があると思います。僕は、その一方に絶対的な自信を持っていた。まさにそれこそが自分の最大の長所である。

それは、受容的・共感的・傾聴的なヒアリングから成り立つコミュニケーション能力。

しかし、もしこの長所を生かそうとすると、「営業」は最大の天敵になってしまうんです。

実は、この受容的・共感的・傾聴的態度とうものは、臨床心理の分野で大いに力を発揮します。このような態度は、臨床の中でもカール・ロジャーズの 「クライエント中心療法(主義)」と呼ばれるもので、カウンセリングの世界でかなりの影響力を持っています。何か悩んでいる人いるとします。その人の話を 聞くとき、聞き手はたとえ相談者が言っていることに共感的になることが求められます。なぜならば、自分の言っていることを批判的せずに聞いてくれるんだ、 自分の言いたいことをこの人は理解してくれるんだ、というような安心感が悩んでいる全てのことを話そうという気を起こしてくれるからです。引き出すために は、たとえ論理の破綻が合ったり、見えていないものが見つかったり、それは違うんじゃないのかと思ったとしても、相手の話に耳を傾け受容的な態度で傾聴す る必要があるのです。それが来談者の心を開き、根本の問題へと話が進み、心を癒す効果を生むのです。

僕のコミュニケーションの基本スタンスは、まさにこれに近いものでした。先天的に備わっている、性格ともいえるものがクライエント中心主義に近い ものでした。自分自身、相手の言っていることを誰よりも早く理解する力には、絶対的な自信がありました。それこそコミュニケーション能力になるのだと。た くさんの異なったスタンスの人たちの、異なる意見を、誰よりも早く理解し、その良さを深いレベルで理解する。そんなところが自分の長所だと思っていまし た。そしてこれまでそれを疑ってこなかった。疑う必要がなかったからである。

しかし、長所であるこの基本姿勢をずーっと出していると、それが短所になることもあるのだと、そのことを徹底的に思い知らされた。

それが今回のインターンシップで学んだ一番大きなことです。

爽やかで、分析的で、理解力があって、共感的。感受性が高い。確かによくそんなことを言われることがあります。しかし、その基本スタンスを、自分 自身でコントロールして全く違ったコミュニケーションスタンスをもう1つ自分の中に宿すことができたら、そこにはどんな世界が待っているのだろう・・・。 自分で意識的にスタンスをコントロールしていくこと。自分の短所は同時に、最大の成長の「可能性」。

僕は食事のときに、気になっていたことを社員さんに聞いてみた。営業をやっていて罪悪感を持ったことはないのか?その社員さんは、きっぱりと言い切った。「ないよ。」

僕たちは、日常的な場面で「ロジック」を組むとき、そこに自分の価値観から出てくる好き嫌い、優先順位、大事にしたいことなどの影響を大きく受け る。そこには、価値基準が確実に存在するのだ。そして、自分が本当に心の底から良いと思うときだけ、それを伝えるためのロジックを組む。僕は今まで、真っ 直ぐに生きてきた。自分の芯を持ち、それを曲げず、自分が良いと思うものだけを追求してきた。自分の素直な気持ちを大事にして、自分を信じ、それを大事に してきた。だからこそ、何かを主張するときは自分が良いと思っているものや、自分が伝えたいと思うものだけをアウトプットしてきた。

しかし、営業の世界には、その商品が「良い」とか「悪い」という概念が存在しない。あるとしても、「その商品が良い」という企業の価値観に自分を 合わせ、徹底的にそれを信じ、その自分を信じる。絶対的に。だから、誰かに「罪悪感」を感じないの?と聞かれても、そんなことは話にもならないというか、 全く次元が違う質問になってしまう。だってあんた、それを売るんでしょ?それが自分の中で、絶対的に良いと疑いなく信じきれていなければ、まず売ることが おかしいでしょ?と言われてしまいそうだ。両者は、同じ「信じる」でも全く違う。「売る」か「売れないか」。だから、自分がどんなこを大事にしたいのかは 全く関係ない。

僕は、インターン先の幹部・取締役クラスの人たち相手に営業のロールプレイングをさせてもらうとき、自分を偽ることができなかった。そもそも、短 時間で資料を読んだだけでは、その商品を売り会社の売り上げを伸ばすことがどう社会に貢献するのか、理解できなかった。頭ではわかっていたけれども、心の 底から疑わずに自信を持って行動できるレベルには達しなかった。そんな中途半端な状態で商品を売ろうとすれば、うまくいかないに決まっている。おそらく、 この問題は他の大学生よりも勉強している分野があるからこそ生まれた問題なのかもしれないが、自分にそんな一面があったことに気づいただけでも大きな収穫 である。そういう場に直面したときに自分自身をコントロールして、どういう心構えで行動するべきなのか、そのヒントがつかめた合宿だった。

自然と良いと思えているもの意外に「ロジックを組む」。初めての経験だったが、そこにこそプロフェッショナル意識も感じられた。

このような側面があるということは、実は自分でも少しは自覚していた。しかし、なぜ解決方法として第3の道に挑戦しなかったのか、自分で限界をつくっていたのか、今回の経験でかなりそのことを考えた。

営業が天敵?
アホか俺。
それは自分の甘さだ。
臨床的な部分を残しつつも、新しい力をつけることはできるじゃないか。

自分は、甘かった。
自分は、限界を知らなかった。
自分は、まだまだ成長できることを知った。

そもそも、社会的に認知されていないものやサービスを認めてもらい、社会に浸透させていくことで貢献していくからこそベンチャーなんじゃないのか。僕の姿勢は、場から考えれば前提から間違っていたのかもしれない。

ロールプレイングで、今だ社会で認知されていない高額で目に見えないサービス商品を、相手の社長を納得させて売る。できない限り永遠と終わらない し、ご飯も食べられない。そんな過酷な条件を体験させてくれたからこそ気づいたこと。向かい合うことができた自分の欠点。僕らには、朝から始まったそのサ バイバルも、終了が夜ご飯となっていて甘さがまだあった。しかし、内定者には朝から夜中の2時まで続けるという。自分に欠けている部分を肌で感じ、これか らの大学生活でやらなければならないことが見えた瞬間だった。

基本スタンスを変えるわけではない。別に、非道になろうなんて思っているわけでは全くない。自分自身の思考方法や、論理的思考の使い方、そういっ たものを「場」に合わせてコントロールして変えていく力、そのようなプロフェッショナルな生き方をこれからは目指していきたいと思う。いうなれば、今の自 分はまだ半分しかない。もう半分を埋めて、より完璧に近い自分になりたい。おそらく、今思っているもう半分を埋め終わった頃には、まだまだ自分は甘かった と思い知らされるのだろうが。

夜は社員さんと学生が一緒になって、語りまくった。社会について、就職活動について。社員さんの本音の話がすごく勉強になった。隠さずいろんな話 をしてくれたし、自分が学生のときのこと、自分が入社したての頃の話、今、どんなことを思って働いているのか。学生の質問に、全て答えてくれた。仲良く なった。70社とか説明会に行き、そのなかで自分の軸にあったもの5社しか受けなかった人や、最初から5社くらい見てそこしか受けなかった人、内定先が決 まったのに、社会を知りたくてそこからさらに60社の説明会に行った人。試験を40社も受けた人。大手企業から中途でベンチャーに転職したエピソード。最 初からベンチャーしか興味がなかった人。ドイツの世界的に有名な企業で、最年少記録を作って今の会社に来た人の学生時代の話。

すべて面白かった。

その後は、学生と社員さんがいっしょになって飲み会。学生のコールに飲まされる社員さん。一対一で話を聞いてくれる社員さん。みんな人格的にすば らしい人たちばかりで、しっかり勉強もしていて、社会人ってすげーなーって思ってばかりでした。でも、すっぽり大学で身に着けるべきはずの教養が抜けてい るから、そういう価値観になったんだろな~っと思われることもあって、そのへんはしっかりチェック。

平均睡眠時間3時間とかだったけど、ちゃんとみんな起きてやることはやる。3日目の帰りのバスの中では、もう社員さんとと全員でこの2泊3日の充実した日々を惜しみながら、楽しく帰ってきました。


厳しく、

そしてやさしく、

僕たちに大切なものを見せてくれたR株式会社。

どうもありがとう。

イメージと、実際とのギャップを埋めたいと言っていましたが、

埋まるだけじゃなく、大切なきっかけをいただきました。

どうもありがとう。


さて、これからゆっくりとノートをまとめながらフィードバックしていきますか・・・

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